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外装木部のあく洗い
和風建築や板張り外壁などに多く使用されている天然木材は、木の温かみで建物の雰囲気を良くしてくれます。
しかし天然木材は時間の経過とともに、木材の内部から樹液やアクが表面ににじみ出て汚れになります。
樹液やアクは紫外線などにより濃い飴色のような汚れとなり、古ぼけて、すすけたような状態になってきます。
汚れの質や種類は、木材が置かれた環境によって異なるため、適切な方法でクリーニングする必要があります。
「あく洗い」とは?
風雨や紫外線にさらされた木材は年数の経過とともに汚れやシミ、カビ、日焼けなどで傷んできます。こういった汚れを取り除き、木本来の美しさを取り戻せる作業が「あく洗い」です。
あく洗いは神社仏閣などの和風建築物によく行われていましたが、現在では古民家や板張り外壁ブームもあり、一般住宅にもあく洗いを行う機会が多くなりました。
天然木材を使用している和風建築や板張り外壁などにあく洗いを行います。
また、建物外部木部は浸透性塗料などで塗装されている場合が多いので、必要があれば旧塗膜の剥離作業も行います。
木材が汚れていて気になっている方は、ぜひあく洗い工事をご検討してみてはいかがでしょうか。
外壁塗装をしたときに木材のところだけ汚れていては、そこが目立ってしまい中途半端な仕上がりになってしまいます。
美観性を保つためにも建物全体をきれいにすることが望ましいですから、このようなときには「あく洗い」を行って木材の本来の美しさを取り戻してあげましょう。
今回はあく洗い工事とはどんな工事か、あく洗いの流れなどをお伝えします。
アク洗いをすることにより本来の美しさを再生、新築時のような明るい色合いを取り戻すことが可能です。
施工前
施工後
あく洗いの流れ
1:あく洗い(汚れ落とし)
あく洗い(汚れ落とし)の工程は過酸化水素水を主成分とする薬品を刷毛で塗り、汚れを浮かす工程です。この工程はとても重要でして、ここで汚れを落としきれないとそのまま残ってしまうため、研磨剤なども使用して同じ作業を数回(2〜3回ほど)繰り返します。
薬品を塗り込んだ後に汚れが浮いてきますので、水を浸した刷毛で薬品を洗い流し、汚れが落ちるまで作業を行います。
2:シミ抜き
紫外線によってできたシミはシミ抜き専用の薬品を使用して落とします。
フッ化水素を主成分とする薬品は、木材や石材を傷める可能性がありますので、取り扱いは注意が必要です。
3:日焼け落とし(漂白)
シミや汚れが取れた後は、日焼けを落としていきます。
日焼け落としでは漂白剤を塗ってシミ抜きします。
漂白剤はシミ抜きで使用した薬品を中和する働きがありますので、日焼け落としをしない場合でもこの作業を行うことが大事です。
薬品同士が中和するときにガスが発生することがありますので、吸い込まないようにマスクをつけて防ぎます。
漂白剤を塗ると木材の表面が毛羽立ちますので、研磨剤で表面を整えます。
4:薬品拭き取り
ここまでできたら木材に残っている薬品を水で濡らした雑巾でよく拭き取ります。
まだ黒ずみが残っているところは研磨剤を使用して取り除き、全体がきれいになるまで作業を行って、あく洗いの完成です。
5:保護塗料仕上げ
あく洗い完成後は、木肌がそのまま外気に触れている状態のため、塗装して保護する必要があります。
未塗装のままだとすぐに汚れてしまいますので、あく洗い後は必ず塗装をして木材を保護しましょう。
木材の塗装は「塗りつぶし」と「木目を残す」2つの方法があります。天然木の美しい木目を残すには浸透型塗料を使用します。
造膜タイプの塗料とは違い、木材に塗料が浸透して太陽光や風雨から保護してくれます。
また、防腐、防カビ、防虫の効果もあります。
塗料はたくさん種類があり、植物油を使用した自然塗料もあります。塗料のご相談もお待ちしておりますので、お気軽にご相談ください。
詳しくは「木部への塗装」
施工前
カビ取り作業後
浸透性木部保護塗装後
ここまであく洗いについてお伝えしてきました。
あく洗いは年数の経過で汚れてしまった木材の汚れを落とすことができる作業です。
あく洗いをすることで天然木の美しさを取り戻し、建物に風格が出ます。
あく洗い後の木材は塗装が必要ですので、このタイミングで外壁塗装もご一緒に行うことをおすすめします。
まとめて工事をすることで足場代の節約になり、トータルコストの軽減にもつながります。
美観性を向上させるには、建物全体をきれいにすることが大切です。
ぜひあく洗いを行う際は外壁塗装もご一緒にご検討ください。
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