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板張り外壁のメンテナンス
板張りの外壁とは、その名の通り、木の板を張って作った外壁のことです。
羽目板や木質系サイディングと呼ばれることもあります。
本物の木に、なるべく余計な加工を施さずに使うため、ほかの外壁材にはない「自然のあたたかみ」を味わえます。
木の種類や塗装の色を選ぶ楽しさはもちろん、経年変化(劣化)による風合いを味わう楽しさもあります。
板張りの外壁には、何と言っても木ならではの風合いがあります。
昨今では、窯業系サイディングを中心に、ガルバリウム鋼板やタイル仕上げなど、
いろいろなデザインの家を目にするようになりましたが、中でも本物の木を使った板張りの家は目を引きます。
板張りのメリット
風合いを感じられる
ウッド調のサイディングなど、近年では様々な建材がありますが、板張りの外壁は工業製品には出せない本物ならではの風合いの良さがあります。
生活の中で自然を感じたい人や、ほかとは違うデザインの家を建てたい人に、板張り外壁が向いています。
また、年月が経っていくと木部の色が変化していくことで味わい深い雰囲気になります。
劣化ではなく素材の変化として楽しむことができるのも魅力です
経年変化(劣化)を楽しめる
本物の木を使っている板張り外壁では、木ならではの経年変化を楽しめます。
長い年月が経っていくにつれ、木の壁は少しずつその表情を変えていきます。
定期的なメンテナンスをしていれば、木の壁は経年劣化でボロボロになるのではなく、経年変化で味わいを深めていくでしょう。
板張り外壁の家では、家族と一緒に家も年齢を重ねていく楽しみがあります。
板張りデメリット
変形や割れが発生することも
本物の木を使っている板張り外壁では、木材に反りや割れが発生することもあります。
板張りの外壁は長持ちするということをメリットに挙げましたが、長持ちさせるためには環境に配慮する必要があります。
水分・栄養・快適な温度・酸素の4つが揃うと、腐朽菌が木材を腐らせてしまいます。
温度・酸素・栄養はコントロールしづらいので、木を腐らせないためには、水分を上手に制限してあげることが大切です。
建物の計画の段階で、雨風が外壁面に直接当たりにくいように軒をしっかり出してあげる、水切れが良いように木を施工する、水の跳ね返りを避けるために板外壁を地面から離して施工する、などの対策が必要になってきます。
また、逆に乾燥によって縮んだり割れたりする可能性もあります。
中の壁に防水シートを施工しているので、防水面で構造に支障があるわけではありませんが、やりかえが必要になることも考えられます。
写真は築15年のウエスタンレッドシダー張り。湾曲し隙間が大きくなって防水性が失われています。
また壁内の下地と防水シートが見えています。
湿気や水に弱い
多くの木材と同じように、板張り外壁も湿気や水には弱いです。
建物の形や周辺環境、張り方やメンテナンスの仕方が悪いと、雨や雪で外壁が腐ってしまったり、カビが生えたりするかもしれません。
「日当たりや雨がかりが当たらない箇所に張る」「定期的なメンテナンスで防水する」など、雨や雪への対策が必要です。
定期的なメンテナンスが必要
水に弱い板張り外壁をきれいに保つには、定期的なメンテナンスが必要です。
本物の木を使った外壁には、防水・防腐のための保護塗料が塗られています。もちろん、保護塗料の効果は時間の経過とともに失われていくため、定期的な塗り直しが必要です。
サイディングをはじめとするほかの外壁材では、メンテナンスの周期はせいぜい10年に1度ですが、板張り外壁では5年に1度程度のメンテナンスが欠かせません。
メンテナンス
塗装可能な場合
表面が劣化している程度であれば、より長く使用していけるように塗装した方が良いでしょう。
板張りの塗装について詳しくはブログ 「木部への塗装」
張替え
劣化が進んで割れたり穴が空いたりした場合や、変形して外壁材としての役割をはたせていない場合には張替えが必要になります。
上の写真は焼き杉板から、焼き杉板への張替え
上の写真は、ウエスタンレッドシダーからガルバリウム鋼板への張替え
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