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非鉄金属への塗装
金属塗装の目的は大きく分けると保護と美観になります。鉄に塗装する最大の目的はさびを抑える「防錆」です。
鉄は塗装しなければすぐに錆てしまいますが、これを防いで表面を綺麗に保つことが、鉄に塗装する理由です。
一方のアルミなどの非鉄金属は鉄と違って錆びにくい素材です。(錆び無いとは言い切れませんが)
防錆という観点では塗装する必要はないのですが、白錆の発生や経年劣化によって美観に影響したり、遮熱性や耐候性などの機能を与えたりする為に、塗装をしたいというニーズが高まっています。
非鉄金属への塗装
非鉄金属への塗装は鉄の塗料より気を付けなければいけない点があります。
それは塗料の密着です。
非鉄金属は鉄と比べると塗料の密着が悪く、塗膜が剥離しやすいという難点があります。
そこで大切になってくるのがプライマー(下塗り材)と下地処理です。
プライマーは非鉄金属などの素材と塗料の接着剤としての役割を果たします。プライマーを使用することにより、塗料の密着力が向上します。
下地処理とは、プライマー塗装前に基材に対して研磨や脱脂をおこないプライマーがより密着するようにする作業です。
鉄と比べて、塗料の密着が良くない非鉄金属を上手に塗装する為にはプライマーと下地処理は必須です。
一般住宅でよく遭遇する非鉄金属はアルミです。
アルミの表面は人工的に酸化被膜を形成させて、他の建材より劣化しにくいのが特徴です。
一昔前まではアルミは塗装できないと考えられていました。
しかし現在では、アルミを含む非鉄金属にも対応したプライマーや下塗り材が開発されており、アルミも塗装可能になっています。
弊店でよく使用する下塗り材
関西ペイント エポマリンGX
亜鉛メッキ面や、非鉄金属への付着性に優れており、塩害地域においても高い防食性を発揮します。
白錆が発生している場合など、白錆除去後の凹凸や、吸い込みを抑える為に塗膜の厚みが必要になる時はエポマリンGXを使用します。
染めQ ミッチャクロンマルチ
密着の悪い亜鉛メッキ、アルミ、ステンレスなどの金属、プラスチックなどの樹脂面やガラス、クロムメッキ、焼付塗装面など、多種多様な素材に対しペーパー研ぎが不要で強力な密着力が得られます。 鉛やクロムなどの有害重金属を一切使用していない安全性の高いプライマーです。
白錆などが発生していないアルミ建材など塗装面が比較的綺麗で、膜厚を必要としない場合に使用しています。
非鉄金属の塗装例
今回塗装させていただいたのは、アルミ製鋳造門扉です。
※鋳造とは
熱で溶かした金属を型に流し込む製造方法で、複雑なデザインが可能な製造方法です。
サンドペーパーなどで表面に傷をつけて、塗膜の付着力を向上させる「足付け」という作業をおこないます。その際、白錆が発生している場合には除去します。
左扉は研磨が終わっています。全体的に傷が付いて白っぽく見えます。
「脱脂」シンナーを湿らせたウエスで埃や汚れ油脂成分を拭きとります。
塗装しない部分を養生し塗装準備完了です。「下塗り」は亜鉛メッキや アルミニウムなどの非鉄金蔵に対しての密着性に優れるエポマリンGXを使用します。
施工時の気温20度場合の塗装間隔は16時間〜10日となっているので、1日目の作業終了。
2日目、十分硬化しているのを確認して、軍手の繊維やゴミが付着しているところを紙やすりで除去します。
「上塗り」に使用したのは、ダイナミック TOPマイルド2液、お客様との打ち合わせで「新設当時のイメージで」とお聞きしていましたので、
調色、艶の調整は現場で行い2回塗り行いました。
下塗り、上塗り共に吹き付けで塗装を行いましたが、凹凸が多くかなり複雑なデザインでしたので、部分的には倍以上の塗装回数になりました。
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