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塩害地域の方へ
海の近くにお住まいの方が心配なのが「塩害(えんがい)」だと思います。
塩害とは塩分によっておこる被害のことで、住宅においては外壁や屋根、手すりなどにサビが発生したり穴が開いてしまうなどの現象が発生します。
そんな塩害地域にお住まいの方は、塩害対策としての塗装メンテナンスが重要です。
塩害地域について
塩害被害を受けやすい場所は「塩害地域」と呼ばれ、主に海からの距離によって定義しています。
500~7000mの範囲で決まっており、さらに近い500m以内だと「重塩害地域」とも言われます。
とくに季節風が強い東日本の日本海側と、台風が多い沖縄や九州地方は塩分が運ばれやすいため、塩害地域の範囲も広く設定されています。
▼一般的な塩害地域の定義
塩害が引き起こす被害
建築物に塩害が発生すると、耐久性などが低下する恐れがあるでしょう。
塩害が引き起こす被害で有名なものには以下があります。
- 鋼材のひび割れ
- 表面剥離
- 断面の欠損 電線腐食による漏電や発火
- 車や建物外壁の腐食や劣化
- 土壌の塩害による農作物の成長阻害と不作
塩害の地域で最も多い被害がサビの発生です。
金属系の屋根材や外壁材、手すり等は塩害地域ではサビが発生しやすくなります。
また、金属系だけでなくコンクリート系の建物もそうです。
コンクリートを支える内部の鉄筋に塩分が染みこみ、鉄を錆びさせてしまいます。
コンクリートの場合は、一見劣化に気付かずに放置してしまいがちなので、劣化症状が出る前に保護塗装をする事をおすすめします。
放っておくとサビが広がって見た目も耐久性も劣っていってしまいます。
サビが少しでも確認できたら塗装メンテメンテナンスを行ないましょう。
塩害に気をつけるべき建築物
塩害の被害を受けやすい建築物は以下の通りです。
- 建物の外壁
- 住居の屋根や扉、雨戸
- 工場の配管類
- 鉄柵や門
建築物の中でも、トタンやアルミなどの「錆が発生する金属」を使用している部分が、耐久性や見栄えの部分でもっとも被害拡大しやすいです。
また、セメントや骨材、混和材料の元々の塩分含有量が多い場合も、通常より塩害の影響が大きくなると考えられています。
塩害が発生しやすい場所
建築物の塩害が発生しやすい場所は、主に「風にさらされやすく、雨水が当たりにくい場所」です。
風で運ばれてきた塩分が付着しやすく、なおかつ雨で塩分が洗い流せずに蓄積・滞留しやすいことが原因となっています。
具体的には、以下の場所に注意を払いましょう。
- 軒下(屋根の下)にある金属や電気ボックス
- 潮風の吹付けが強い室外の壁
- 立地場所の標高や階層が高い海辺の住宅
もちろん、海辺に近ければ近いほど塩害の侵蝕度合いも大きいため、より強固かつ迅速な対策が必要です。
また、海辺から5km以上の距離があったとしても塩害被害は発生するため、警戒が必要であると覚えておいてください。
対策として
影響を0にすることは難しいですが、事前に対策を実施しておけば、被害を最小限に抑えられるでしょう。
具体的には、以下の塩害対策がおすすめです。
劣化症状が悪化する前に塗装する
・錆が発生している場合は、可能な限り綺麗に取り除く。
・防食性のある塗料を使う
・錆止めを通常1回塗るより2回塗りし膜厚を付ける。「膜厚を付けると膜厚分、外からの水分が本体に届きにくくなります」
塩害に強い建材に替える
一つ目は「ステンレス」です。
ステンレスは「ステン(サビ)/レス(ない)」という名前の通り、さびにくい素材です。
表面を覆っているクロムという金属の薄い膜が塩分によるサビを防いでくれます。
二つ目は「ガルバリウム鋼板(ジンカリウム鋼板)」です。
耐久性もあり、アルミニウムや亜鉛が含まれているのでサビが発生しにくいです。
(錆びにくいでけであっていずれ錆びます)
外壁だけでなく屋根材としても使用することが出来ます。
機器の設置位置を考える
給湯器や室外機などの機器を塩分から守るためには、設置位置を考慮することも重要です。
海側とは反対側に設置する、屋内に入れる、全体覆うような構造を作るなど、潮風を遮断する措置を取ってください。
換気扇や室外機などの外気を取り込むタイプは機器内部の劣化にもつながるため、とくに意識して設置位置を検討しておきましょう
まとめ
海の近くにお住まいの方は塩害の対策が必要です。
- 住居の塩害は風で運ばれてきた塩分の蓄積が引き起こす
- 塩害対策の基本は塩分を外壁や車に付着させない
- 正しい塗料や素材の使用、日々の清掃で塩害が進みにくいように工夫する
塗装業者に工事を依頼したとき、工事後のアフターケアが万全かどうかも依頼前に確認してください。
塩害地域の場合は外壁や塗装が劣化しやすいため、施工後の保証がつかない(もしくは通常より短い)場合が多いです。
同時に、業者が使用する素材や塗料の耐久性が適切かどうかなどのチェックも行いましょう。
塩害地域の建物は劣化が早く、価格だけでなく工事内容と対策が大事です。
沿岸部の生活と塩害は切っても切れない関係であるため、避けるのではなく適切に対処することが大切です。
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