下塗りの種類と特徴
代表的な下塗りの種類と目的について説明します。
シーラー
シーラーは下地と上塗り塗料の密着性を高めるだけでなく、下地に吸い込ませることで上塗り塗料が下地に吸い込まれるのを防ぐ役割の下塗りです。
シーラーの種類によっては、浸透した際に下地を補強し耐久性を高めたり仕上がりを向上させる効果が期待できる製品もあります。
プライマー
呼び方は違いますが基本的にはシーラーと同じ役割の下塗りです。
防錆効果を持たせた製品もあり、外壁・屋根材や下地の状態によって使い分けをします。
フィラー
フィラーは主にモルタル外壁などに使う、シーラーやプライマーに比べ粘度の高い下塗り塗料で、下塗りで下地にある凹凸をなめらかにし下地を調整する目的で使用します。
また、ヘアクラックへの擦り込みやマスチックローラー(多孔質ローラー、砂骨ローラー)を使って、凹凸のある塗膜を作ることによって厚い塗膜をパターン(模様)付けすることによってなどにも利用します。
サーフェイサー
サーフェイサーは下塗りと下地調整の役割を兼ね備えた、シーラーとフィラーの中間のような下塗り塗料です。
シーラーやプライマーよりも膜厚が付き、下地をなめらかにするため上塗りの性能や光沢をより引き出すことができます。
また、隠ぺい性にも優れているため、濃彩色から淡彩色への塗り替えのような極端な色の変化にも対応できます。
製品によっては上塗りの溶剤成分が原因で起きるリフティング(塗膜の縮み)の防止に使うこともできます。
おわりに
外壁塗装・屋根塗装における下塗りの重要性について、その役割や種類について説明しました。
塗装工事を成功させる上で、下塗りが非常に大事な役割を果たしていることをご理解いただけたかと思います。
下塗りが仕上がりの良さを決めると言っても過言ではありません。
下地の種類や劣化状況に合わせて最適な下塗りを選び適切に塗装することが、美観、耐久性に大きく影響します。
下塗りの選定は現地調査を行った塗装業者に任せることになりますが、なぜその下塗りを選んだのか、どういった役割なのか、などをしっかりと説明できる業者に依頼することをおすすめします。