本文までスキップする
お問合わせ

blog

下塗りの必要性と種類

塗り替えを検討されている方の中には、塗料の種類や特徴、性能などをインターネットなどで情報を収集されている方もいらっしゃるかと思いますが、ほとんどの方が調べている塗料は「上塗り塗料」ではないでしょうか。

もしかしたら、「下塗りは本当に必要なのか?」「下塗りを塗らなければその分安くできるのでは」などとお思いの方もいらっしゃるかもしれません。

実は下塗りは、塗装工事において最も重要な工程といえます。
塗装の仕上がりを良くするだけでなく、さまざまな不具合を防止するための重要な工程となるのが下塗りなんです。

今回は下塗り塗料がなぜ重要なのか、そして下塗りの役割や種類について説明していきます。

住宅塗装の工程について

下塗りについて説明する前に、一般的な住宅塗装の工程について説明します。
通常、住宅塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3工程が基本になります。

下地(基材)の状況に応じた下塗りを選択し、中塗り、上塗りと塗り重ねることで、雨風や紫外線などのダメージから住宅を守ることのできる適切な塗膜に仕上げることができます。

更に最近は、上塗りの上から保護コーティングを塗装する4工程塗装も開発されはじめています。

下塗りの役割とは

下塗りの役割は大きく3つあります。

1. 中塗り、上塗りの密着性を高める

1つ目は密着効果を高める役割です。

塗り替えを行うタイミングでは下地(塗装面)も劣化してきていることが多いため、下塗りで下地をならし接着剤のような役割を果たすことで、中塗り、上塗り塗料を密着しやすくします。

2. 塗料の吸い込みを止める

2つ目は塗料の吸い込みを止める役割です。

劣化した下地は塗料を吸い込むため、下塗りで下地の吸い込みが止まるまで塗っておかないと、下塗りがきちんと下地に残らず効果が発揮されません。

下塗り塗料が不足していると、その後の塗膜の密着性が低くなり後々に剥がれたり、中塗りや上塗りが吸い込まれムラができたりと不具合の原因となります。

3. 下地の素材や状態に合う機能を付加する

3つ目はさまざまな下地の素材や状態に合わせ、必要な特有の機能を付加する役割です。

下塗りの種類によっては錆止め効果があるものや、ヘアクラックといわれる0.3mm以下のヒビを埋めることができるもの、またゴム状の厚い塗膜を形成して下地のヒビ割れに追従し防水性を高めるものなど、下地の種類や劣化状況などによって使い分けをします。

 

下塗りにはこのようにさまざまな役割があり、下塗りの選定を誤ると、上塗り塗料本来の性能を十分に発揮できないばかりか、塗膜のひび割れや剥がれ、色ムラなど、さまざまな不具合が発生する原因となります。

下塗りの種類と特徴

代表的な下塗りの種類と目的について説明します。

シーラー

シーラーは下地と上塗り塗料の密着性を高めるだけでなく、下地に吸い込ませることで上塗り塗料が下地に吸い込まれるのを防ぐ役割の下塗りです。

シーラーの種類によっては、浸透した際に下地を補強し耐久性を高めたり仕上がりを向上させる効果が期待できる製品もあります。

プライマー

呼び方は違いますが基本的にはシーラーと同じ役割の下塗りです。
防錆効果を持たせた製品もあり、外壁・屋根材や下地の状態によって使い分けをします。

フィラー

フィラーは主にモルタル外壁などに使う、シーラーやプライマーに比べ粘度の高い下塗り塗料で、下塗りで下地にある凹凸をなめらかにし下地を調整する目的で使用します。

また、ヘアクラックへの擦り込みやマスチックローラー(多孔質ローラー、砂骨ローラー)を使って、凹凸のある塗膜を作ることによって厚い塗膜をパターン(模様)付けすることによってなどにも利用します。

サーフェイサー

サーフェイサーは下塗りと下地調整の役割を兼ね備えた、シーラーとフィラーの中間のような下塗り塗料です。

シーラーやプライマーよりも膜厚が付き、下地をなめらかにするため上塗りの性能や光沢をより引き出すことができます。

また、隠ぺい性にも優れているため、濃彩色から淡彩色への塗り替えのような極端な色の変化にも対応できます。

製品によっては上塗りの溶剤成分が原因で起きるリフティング(塗膜の縮み)の防止に使うこともできます。

おわりに

外壁塗装・屋根塗装における下塗りの重要性について、その役割や種類について説明しました。

塗装工事を成功させる上で、下塗りが非常に大事な役割を果たしていることをご理解いただけたかと思います。

下塗りが仕上がりの良さを決めると言っても過言ではありません。
下地の種類や劣化状況に合わせて最適な下塗りを選び適切に塗装することが、美観、耐久性に大きく影響します。

下塗りの選定は現地調査を行った塗装業者に任せることになりますが、なぜその下塗りを選んだのか、どういった役割なのか、などをしっかりと説明できる業者に依頼することをおすすめします。