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塗料の種類と特徴
外壁塗装に使われる塗料の歴史は、価格競争・開発競争の歴史であり、アクリル→ウレタン→シリコン→フッ素の順に発売され進化してきました。
それぞれの塗料の総称は以下になります。
- アクリル塗料 → アクリル樹脂塗料
- ウレタン塗料 → ウレタン樹脂塗料
- シリコン塗料 → シリコン樹脂塗料(アクリルシリコン樹脂塗料)
- フッ素塗料 → フッ素樹脂塗料
- 無機塗料 → 無機塗料 または 無機有機ハイブリット塗料
外壁塗装で使用される塗料は、主に「樹脂」「顔料」「添加剤」「溶媒」の4つの成分で構成されています。
顔料 | 顔料の大きな役割は、塗料の色彩を作ることです。また、顔料の中には塗料を増量したり、さびの発生を防いだり、紫外線からの劣化を抑制するものもあります。 |
樹脂 | 樹脂の役割は、塗料の骨格を作ることです。樹脂にはアクリル樹脂、シリコン樹脂などさまざまな種類があり、特に、樹脂の種類によって長持ちする度合い(耐候性)が違うことが大きな特徴です。 |
添加材 | 添加剤の役割は、塗料の性能を補助的に向上させることです。添加剤には沈殿防止剤、艶調整材、たれ防止剤などさまざまな種類があります。 |
溶媒 | 溶媒の役割は、樹脂を溶かしたり薄めたりする液体のことです。溶媒は大きく溶剤と水に分かれ、このうち溶剤は炭化水素系、アルコール系などの種類に分かれます。 |
樹脂の種類
中でも「樹脂」は、塗料の耐久性や耐候性の目安であり、グレードを左右する重要な成分です。
今回は、その樹脂に着目して、それぞれの塗料を解説していきます。
アクリル樹脂塗料:期待耐用年数3年~6年
低価格で透明度が高く色を鮮やかに見せるというメリットがありますが、水分を通しやすいため、外壁塗装よりも内部塗装や塀に使われるケースが多いです。
耐久年数は短いのでお店の内外壁など頻繁にイメージチェンジをしたい場合や近々建て替えが決まっているが塗り替えが必要な建物の外壁塗装におすすめです。
ウレタン樹脂塗料:期待耐用年数5年~10年
価格と性能のバランスが良いウレタン塗料は、アクリル塗料に次いでリーズナブルですが同様に耐用年数も短い傾向にあります。
耐候性は引いですが付着力は優れているので、上塗り塗料としてだけでなく下塗り塗料や中塗り塗料としても使用されることがあります。
シリコン樹脂塗料:期待耐用年数10年~17年
耐用年数と価格とのバランスが良いため現在人気の高い外壁塗料です。
耐候性や耐汚性が高く、光沢があり、ツヤが長持ちするなどメリットも多いです。シリコン塗料といっても水性・油性、1液型・2液型など多種多様あり、シリコン樹脂の含有量によって耐用年数も大幅に異なるので注意しましょう。
また、近年人気のあるラジカル制御型が発売されたことにより耐候性が上がり
耐用年数も長くなりました。 ※ラジカル制御については後ほど解説します。
フッ素樹脂塗料:期待耐用年数15年~20年
耐候性・耐寒性・低摩擦性・不燃性などに優れているため耐用年数も長いのですが、価格も高いため一般の住宅にはあまり普及していません。
耐久性に優れており、美観も長期的に保つため、塗り替える回数も少なくなり、長く住む予定の住宅にはおすすめです。
無機塗料:期待耐用年数20年~
無機塗料とは「有機樹脂の中に無機物の成分を配合した塗料」を指します。
無機物の耐久性や耐候性を活かした有機と無機の良いとこ取りの塗料であり、「無機有機ハイブリッド塗料」と表現するメーカーもあります。
ポリウレア樹脂塗料:期待耐用年数30年
近年、無機塗料を越えるポリウレア樹脂が流通しはじめています。
ポリウレア樹脂は、防水性、耐薬品性、耐摩耗性、耐熱性が非常に高い樹脂化合物です。
橋梁やトンネルのコンクリート剥落防止材としても使われています。
また、防弾チョッキにも使われることがあるといいます。
※ラジカル制御型塗料
ラジカルとは塗膜劣化の要因となる劣化因子のことです。
紫外線が外壁や屋根の塗料(塗膜)に当たると、この劣化因子「ラジカル」という物質が生成されます。
ラジカルは塗料の樹脂を破壊するため、 塗膜劣化の大きな要因となっています。
このラジカルの発生をできるだけ抑制する顔料と添加剤を使い、塗装を長持ちさせるための技術を取り入れた塗料のことを、ラジカル制御形塗料といい、樹脂の種類ではありません。
例:ラジカル制御型シリコン樹脂塗料、ラジカル制御型フッ素樹脂塗料
詳しくはラジカル制御型塗料について
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