ブログ blog
シーリングの種類と当店オススメ
シーリング材(コーキング、充填材、コーキング材、コーキング剤とも呼ばれます)とは、建物や構造物の
防水性や気密性を保持する為に、継ぎ目や隙間に充填する材料の事で、シーリング工事の大きな目的は
雨漏りを防ぐ防水機能』と地震や振動などによって建物が揺れた際、『伸縮性によって建物を守る応力緩和機能』
の2つが挙げられます。
現在の新築住宅は、塗装仕上げが行われずにシーリング材がそのまま露出している場合が多い為
紫外線が直接シーリング材に当たって劣化します。
建物の周辺環境によって異なりますが、紫外線等の影響を受けて、約5年を過ぎたあたりからシーリングのひび割れ
肉痩せ、剥離、破断‥といった経年劣化がはじまります。
一般的にシーリング補修のタイミングは、約10年と言えます。
しかし、それ以前にシーリング材のひび割れや剥離という不具合が出ましたら、なるべく早く補修する必要があります。
シーリングの種類と主な用途
シリコン系シーリング材
耐候性、耐熱性、耐寒性とコストパフォーマンスが優れています。
しかし注意が必要なのが、シリコン系シーリング材を充填してしまうと、シリコンオイルという油に近い成分
がいつもシーリング表面に析出する為、その上には塗装する事ができません。
再塗装する際には、特殊なプライマーを塗装するか、既存のシリコンを一度撤去しないといけないといった
余分な手間が掛かってしまい、シーリング撤去費用が掛かってしまう場合がありますので、事前の注意が必要です。
アクリル系シーリング材
耐久性は低いが水性であるため作業性に優れます。
モルタルやコンクリートなどの細いクラックの補修に使われることが多く、主に新築時のALCのパネル目地
内装工事などに使用されます。
乾燥硬化すると弾性体になって、湿った場所にも使用する事ができます。
アクリル系シーリング材は、シーリング材の上に塗装する事は可能です
ポリウレタンシーリング材
ポリウレタン系シーリング材の硬化後は、ゴムの様な弾力性を持ち、耐久性にもすぐれているので
クラック補修や目地の補修に使用されます。
一般的にウレタン系シーリング材は紫外線に弱く、露出目地やガラス廻りには使用できません。
付着力が強く、塗料との相性が良いことから、外壁塗装の場合には変成シリコン系シーリング材よりも
ウレタン系シーリング材を選択した方が良いと言えます。
しかし、シーリング上の塗膜の割れが発生した場合には、紫外線の影響を受けることもあり
塗膜の厚みや機能を考慮して使い分ける必要があります。
変性シリコン系シーリング材
変成シリコン系シーリング材は、シリコンと名前が付いてますが、上記のシリコンとは全く別物で、
シリコーンに比べると耐熱性、耐水性がやや劣りますが、耐候性、柔軟性が優れ
ムーブメントの大きい金属類への使用も可能なシーリング材です。
また、カビが生えにくいシーリング材として優れた性能を持っています。
変成シリコン系シーリング材は、シリコン系シーリング材と違い、塗装する事が可能ですが、塗料の種類によって若干
弾きやベタつきが発生する事もあるので、塗料との密着性は下塗り材に依存します。
高耐候性ポリウレタンシーリング材(ネオウレタン)
種類的な分類でいえばポリウレタンシーリング材となりますが、一般のポリウレタンシーリング材とは異なり
可塑剤に頼らない配合技術によって開発されたネオウレタンポリマーによるシーリング材です。そのため
ポリウレタンシーリングはもとより、変成シリコンシーリングよりも優れた耐久性、耐候性を有しています。
塗装下地に最適化された商品でも、期待耐用年数20年となっており、高耐久塗料を使用する際には
是非おすすめ致します。
また、耐用年数30年という商品も開発されていて、「後打ち」が必要な高耐久クリアー塗装仕上げにも対応可能です。
一般的な建物や構造物に使われている主なシーリング材の種類、特徴、用途などをお伝えします。
種類 | 耐久性 | 耐候性 | 塗装との相性 | 用途 |
シリコン | 〇 | 〇 | ✖ | ガラスサッシ周り・キッチン周辺・浴室周辺 |
アクリル | ✖ | ✖ | 〇 | モルタル外壁の細いクラックの補修や内部、ALCパネル目地 |
ウレタン | 〇 | ✖ | 〇 | 外装全般に幅広く使用可能。塗装が必要。 |
変性シリコン | 〇 | 〇 | △ | 外装全般に幅広く使用できる。相性はあるが塗装可能 |
ネオウレタン | ◎ | ◎ | 〇 | 高耐久塗料やクリアー塗装等の露出仕上げ(後打ち) |
当店のオススメのシーリング
当店ではオート化学工業(株)の超耐シーラーTF2000、もしくはオートンイクシードを推奨しております。
シーリング材の種類でいうと、高耐候性ポリウレタンシーリング材(ネオウレタン)になります。
オート化学工業(株)はポリウレタンシーリング材を得意としています。
自社製品と多く塗料との密着試験を行い、塗料との相性にも積極的に試験を行ってくれる
信頼できるシーリングメーカーです。
一般的なポリウレタンシーリング材は紫外線や水分に対して弱く、露出するような場所での使用には不向きですが
ネオウレタンはポリウレタンシーリング材の耐久性と付着力はそのままに、紫外線や水分に対しても非常に強くなり
変性シリコンシーリング材を越える性能を持っています。
まさに外壁塗装にうってつけのシーリング材なのです。
超耐シーラーTF2000
20年位前から住宅メーカーの新築物件で、ネオウレタンとして使用されてきた同社のオートンサイディングシーラント
という商品は好評で実績もあります。
ただ、オートンサイディングシーラントは元々、塗装用に作られたものではなく、新築時のサイディング用に
作られていて、すべての塗料に相性が良いとはいえないのです。
そこで、サイディングシーラントを塗装下地用に改良したのが、超耐シーラーTF2000です。
超耐シーラーTF2000は、塗装下地用として開発された商品ですが、より過酷な環境の土木工事にも耐えうる性能が有り
暴露状態においても充分な耐久性があることが実証されています。
土木現場でも使用できるくらいのシーリング材なので、塗膜で保護することによって、より長持ちするはずです。
ただ、下地用として開発された製品なので、選択できる色が8色しかないのがデメリットです。
オートンイクシード
オートンイクシードとは新たに開発した特殊高耐久ポリマー「LSポリマー」を配合することにより
これまでにはなかった耐久性、耐候性を持ったとても長持ちするシーリング材です。
長所としては、3つあります
1つ目は、劣化の原因となる可塑剤が無配合なので寿命が長いことです。
可塑剤は基本的にはシーリング材を柔らかくするために用いますが、紫外線や雨、温度などのせいで分離していくことがあります。
この現象が起きてしまうとシーリング材は崩れていってしまい、最終的にはシーリング材の役目を果たさなくなるでしょう。
しかし、オートンイクシードにはその可塑剤が含まれていません。
そのため流出してくる可塑剤がなく、寿命も長くなるという仕組みです。
通常のシーリング材が10年程度の耐用年数なのに比べて、オートンイクシードは30年程度も柔らかさを持続するそうです。
2つ目は、外壁材への圧倒的な接着力により、どんな動きにも追随する耐久力があることです。
一般的なシーリング材は伸び率が400パーセントですが、この材料は1000パーセントを超えてきます。
それにより少々の動きが出てしまっても破断することはほとんどないでしょう。
耐久性が高くなっていることも寿命が長いことのひとつの要因です。
3つ目は、耐候性が優れていることです。
やはり紫外線に影響されてしまう材料が多いのですが、この材料は紫外線にも強くなっています。
自然に起こることからも守ってくれるのは嬉しいことです。
耐久性、耐候性の良いフッ素塗料や無機塗料を使用する際には、オートンイクシードの使用をおすすめします。
本当にずっと柔らかいですし、本当に切れません。
デメリットは硬化するまでの時間が遅いことと、少しお値段が高いことです。
耐用年数が3倍だから、お値段も3倍なのでは!? ということはなく
通常のシーリング材の金額プラス数万円でオートンイクシードに変更することが出来ます。
オートンイクシードのサイトへ
まとめ
シーリングは使用する種類により、特徴や耐用年数が異なります。
また、シーリングの上に塗装することによって、より寿命を延ばすことも可能です。
多くのお客様は、使用する塗料の耐用年数を気にされていますが、シーリングについては業者任せになっていることが多いと思います。
外壁塗装の耐用年数に合わせて、シーリング材を選択することが大切です。
外壁塗装も大事ですが、シーリングはもっと大事です。
関連する記事