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艶調整すると性能が落ちるのか

塗料は艶の度合で段階が分類されています。

多くの塗料メーカーは「艶あり」「7分艶」「半艶(5分艶)」「3分艶」「艶消し」の5段階に対応してくれます。

ただし、すべての塗料がこれらの艶すべてから選べるという訳ではありません。
塗料によって選べる艶は決まっており、各塗料の製品カタログやホームページなどで確認できます。

多くの塗料が「艶あり」で作られている

リシンやジョリパットははじめから艶のない仕上がりの塗料ですが、外壁塗装や屋根塗装に使われる塗料は、元々のベースが艶ありで作られる場合が多いです。

先ほど述べたように、艶は5段階に分類されています。
では、艶ありの塗料からどのようして「半艶」「3分艶」「艶消し」などを作っていくのか(艶調整といいます)、その方法について解説します。

艶調整はどのように行っているのか

塗料の艶調整は、艶ありの塗料に艶調整剤という添加剤を混ぜて、艶を調整しています。

艶調整剤は無機顔料の一種である微粉末状のシリカなどが原料として使用されていますが、この艶調整剤を塗料中に分散させることで塗膜表面に細かな凹凸を作り、光(太陽光)を乱反射させ、艶が消えたように見せています。

艶調整剤の配合量によって艶を調整していきますが、相当量を添加しないと艶消しの効果があらわれにくいという難点があります。

添加材の量が増えるということは、樹脂などの量が減ることになり、艶の度合いは塗膜の寿命、耐候性に影響するといわれています。

塗料(16kg)=樹脂+顔料+添加剤+溶媒    詳しくはブログへ塗料の種類と特調

また塗料の種類によっては艶調整を行うと塗膜の柔軟性無くなり、弾性塗膜に塗装した場合に上塗り塗膜のひび割れが起こるもありますので注意が必要です。
※カタログの最終ページに小さく記載されていることが多くあります。

 

艶調整剤は塗料の耐候性にどのくらい影響するのか

塗装業界内での一般的な常識として、艶を落とすたびに耐候性が落ちていくと言われています。

しかし近年では塗料の製造技術の向上によって高耐候性や弾性塗膜にも対応できる艶消し塗料も増えてきており、艶調整品だからといって極端に性能が落ちることはないようです。

(大手塗料メーカーに確認しましたが艶による違いは殆ど無く、塗料カタログに記載されている性能はあると回答もありました。)

 

当店が良く使用する艶消し塗料例
関西ペイント アレスシルクウォール
シーカジャパン ダイヤスーパーセランG4
など

 

まとめ

色選び同様、艶調整によっても耐候性や機能に違いが出てきます

ですので、外壁塗装を成功させるためには、色選びだけでなく、艶選びも重要であるということがおわかりいただけたかと思います。

昨今、お客様からのご要望は「テカテカ」した仕上がりではなく、「マット」な仕上がりをお求めになられることが多くあります。

施工店としては、塗料の性能を落とすことなく、お住まいの美観を長期的に保つことのできる艶有りや艶消し専用塗料を選んでいただくことをお勧めします。

ですが、艶を調整することで仕上がりや外観の印象を変えることができますので、何を重視するかを考えていただければ、艶の選択も決まってくるのではないか思います。

 

実際に、艶調整した塗料の経過観察をしてきましたが、体感して持ちが悪いなと思ったことはありません。

個人的には好きな艶を選ぶのが一番だと思います。

 


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