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ウレタン防水 種類と特徴
ウレタン防水とは
ウレタン防水とは、マンションや陸屋根などの平らな屋上に行う防水工事のひとつです。
ウレタン防水材は液状のため、継ぎ目がなく細かい場所にも対応可能なことが最大のメリットです。
他の防水工法はシートを貼り合わせるものなので、細かい場所や狭い場所には不向きなうえ、シートの接着不良があると、隙間から水が入り込んでしまいます。
ウレタン防水のメリット
ウレタン防水には以下のメリットがあります。
- 価格が安価
- さまざまな下地の上に施工可能
- 複雑な場所にも施工可能
- 既存の防水層を撤去しないので廃材が少ない
- 防水層が軽量で建物に負担をかけにくい
ウレタン防水は、防水工法のなかで唯一、施工場所すべてに対応できるため低予算でおさまります。
他の工法はウレタン防水と掛け合わせる場合が多く見られます。
ウレタン防水のデメリット
ウレタン防水のデメリットは以下です。
- 手作業のため膜厚が均一にならない場合がある
- 天候が施工に大きく影響する
- 亀裂ができやすい
- 硬化させる時間が必要
技術的な問題と天候の影響は、どの防水工事でも避けられないでしょう。
ウレタン防水は固まるまでに時間がかかります。
夏に日当たりがいいと数時間、冬だと1日中かかる場合があります。
ウレタン防水における工法の種類と工程
ウレタン防水には以下の3種類の工法があります。
- 密着工法
- メッシュ工法
- 通気緩衝工法
それぞれの工程について説明していきます。
ベランダや廊下なら「密着工法」
ベランダや廊下には「密着工法」がおすすめです。
・工程
- ケレン、清掃(※1)
- 下地補修
- プライマー(※2)
- ウレタン防水1層目
- ウレタン防水2層目
- トップコート
※1
ケレンとは、下地にくっついたゴミや剥がれたウレタン部分を撤去する作業です
※2
プライマーとは、ウレタン防水材と下地がくっつくための接着剤です。
万能型の「メッシュ工法」
ベランダや廊下、特に下地の素材が変わる場所には「メッシュ工法」が最適です。
ひび割れ対策としてガラス繊維のメッシュを、ウレタン防水1層目の前に貼り付けて補強する工法です。
下地が異なると、「地震での揺れかた」や「熱での伸縮率の違い」が原因でウレタンがひび割れやすくなります。
・工程
- ケレン、清掃
- 下地補修
- プライマー
- メッシュ貼り付け
- ウレタン防水1層目
- ウレタン防水2層目
- トップコート
屋上なら「通気緩衝工法」
屋上には「通気緩衝工法」がおすすめです。
通気緩衝シートで湿気の通り道をつくり脱気筒で最終的に湿気を排出する工法です。
密着工法では湿気の逃げ道をふさぎ、膨れやはがれの原因となります。
すでに雨漏りが発生している場合や、水分を多く含んでいる可能性の高い築年数の古い建物や屋上は建物内部の湿気の排出をしているため、通気緩衝工法が適しています。
・工程
- ケレン、清掃
- 既存伸縮目地撤去
- 伸縮目地部分にシーリング
- 下地補修
- プライマー
- 通気緩衝シート貼り付け
- ジョイントテープ/端末テープ貼り付け
- 脱気筒設置
- メッシュ貼り付け(シート端部と既存下地の接触部分)
- ウレタン防水1層目
- ウレタン防水2層目
- トップコート
ウレタン防水のメンテナンス
防水工事を行ってから10年以上経過している場合は防水工事を、5年程の場合は、防水層を覆っているトップコートの塗り替えを依頼するといいでしょう。