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無機塗料について

無機塗料とは、ここ数年で開発が進んで登場した次世代塗料です。
これまでのシリコン塗料やフッ素塗料以上の、抜群の耐久性を誇ります。

無機塗料とは

無機塗料とは、「無機物(炭素を含まないもの)」を配合して作られた塗料のことです。
例えば、ガラスや鉱石などが無機物です。紫外線で劣化せず、非常に硬くて燃えにくい性質があります。
無機塗料の場合は主にセラミックやケイ素を主成分にしています。

一方、これまでの一般的な塗料は「有機物(炭素を含むもの)」を主成分にしているので有機塗料と呼ばれます。
有機物は、例えばアクリル、ウレタンなどの樹脂のことです。
こうした有機樹脂は柔軟性に富んでいますが、紫外線によって劣化してしまいます。

無機物100%なら半永久的に劣化しないものができますが、そうすると流石に硬くて建物に塗ることはできなくなってしまいます。

そのため、無機物の耐久性を活かしながら、有機物(フッ素樹脂等)を混ぜて使えるようにした塗料が「無機塗料」となります。

 

(塗料メーカーによっては、「無機有機ハイブリット塗料」という表現を使うこともあります。)

 

 

無機塗料の主なメリット4つ

1.耐候性

無機塗料最大のメリットは、何と言ってもその耐候性(紫外線に対する強さ)です。
これは、無機成分自体が紫外線での劣化をほとんどしないからです。
石や陶器が何十年とずっと外にあっても劣化が殆どないことと同じです。
無機塗料の耐用年数は20~25年で、フッ素を押さえて最長です。

 

以下は、国内大手メーカーの関西ペイントが販売している、無機塗料の試験結果です。
この試験では光沢保持率80%で塗膜が劣化したと評価し、40%を下回るとチョーキングが起こるとされています。

 

出典 関西ペイント

300時間が内陸部での1年相当の紫外線量とされいて、塩害部や紫外線の多い地域では450時間が1年相当の紫外線量とされています。

5000時間(内陸部16年相当)で90%以上を保持しています。

2.低汚染性

無機塗料は、表面に着いた汚れが雨で流れ落ちやすく、美しさを保ってくれます
水となじみやすい「親水性」という性質をもっているためです。(低汚染性とも言います)。

例えば、砂埃や排気ガス、鳥のフンなどが外壁に付着することがあると思いますが、雨が降ると塗膜と汚れの間に水がするりと入って汚れを流してくれるのです。

※汚れがすべて完全に流れるわけではありません

幹線道路沿いなどどうしても汚れが付いてしまう立地のお家には、とても嬉しい機能です。

3.防藻性・防カビ性

無機塗料は、カビ・コケ・藻が生えにくい性質(防藻性・防カビ性)を持っています。
なぜなら、カビ・コケなどの栄養分である有機物の含有量が少ないからです。
また優れた低汚染性によって表面に付着した栄養分を雨で洗い流すことによってカビ・コケの発生を抑制します。

カビ・コケは建物の見た目を悪くしてしまいますし、根を張ることで建材自体を傷めてしまいます。

無機塗料を使うことによって、見た目を綺麗に保つこともでき、壁や屋根の素材そのものも保護することができるのです。

4.難燃性

無機塗料は非常に火に強く、燃えにくいという利点があります。

そもそも無機物が燃えにくい(不燃性の)ものだからです。

有機物は燃えると二酸化炭素が発生し、黒く焦げて炭になります。

一方、無機物であるガラスや石は火をつけても燃えてなくなったりしませんよね。

 

無機塗料は100%無機ではなく、有機成分も含んでいるので、全く燃えないわけではないのですが、それでも有機塗料と比べて十分燃えにくいです。

万が一近隣の火事などが飛び火してきても燃え移りにくいため、二次災害の確立を低くすることができます。

 

無機塗料の注意点4つ

1.価格が高い

無機塗料の上塗り材は1缶当たり ¥40,000円~¥80,000と価格もかなりバラツキがあります。
特に溶剤系や濃色は価格が高い傾向にあります。

同じ無機塗料といっても、無機成分の含有量や機能性によっても性能・価格が変わります。
また塗料メーカー推奨の標準塗装仕様でも、無機上塗り材を2回塗装する仕様もあれば、専用の中塗り材を1回塗りした後、無機上塗り材を1回塗りする仕様もあります。

値段の差で性能に差があるのは事実です。

2.艶消し(艶調整)を選択できない場合もある

ほとんどの無機塗料は艶消しができません。
多くの塗料メーカーは、艶消しは無く、三分艶から五分艶までにしか抑えられません。

艶調整をすると塗料の耐久性や柔軟性が低下してしまうためです。

下塗り材に柔軟性のある塗料を使用した場合などには、無機塗料は艶ありのみとなっています。

(一部の塗料メーカーは艶消し対応可能ですのでご相談ください)

 

 

3.補修や重ね塗りをする場合、下地処理が必要

フッ素、無機、光触媒を塗装し、完全硬化した塗膜は優れた低汚染性能があります。
しかし塗料も付着しにくいという面もあり(難付着塗料)、補修や塗り重ねする場合には塗膜表面の目荒らしや高機能シーラーで下塗りする必要があります。

塗装工事後にサッシの入れ替え工事など外壁補修が必要な場合には業者に難付着塗料を使用していることを伝える。
または、サッシ入れ替え工事後に外壁塗装をすることをお勧めします。

4.全体の耐用年数を合わせる必要がある

外壁や屋根の塗料だけでなく、シーリング・付帯部塗料も耐用年数の長い商品を選ぶ必要があります。
バランスよく選定しないと、無機塗装した部分は良い状態であっても、他の箇所は工事が必要になってしまうことがあります。
その結果、損する事になる可能性もあります。

 

 

無機がおすすめなのはこんな人!

長期的なコストパフォーマンスをよくしたい

無機塗料は費用が高いのがデメリットですが、実は長期的に見ると安くなります

なぜなら、耐用年数が長く、今後の塗り替え回数が少なくなるからです。

20年30年という長い目で考えると、耐用年数が長い塗料ほどコストパフォーマンスが良くなります

長期的な目線で費用をお得にしたい方は、ぜひ無機塗料で塗装しましょう。

とにかく長く持たせたい、最後の塗装にしたい

無機は何と言っても、耐用年数が20~25年と非常に長いのが特徴です。

もうしばらく大きな工事はしたくない家のメンテナンスはこれで最後にしたい、という方は無機塗料が合っているでしょう。

また、定期的な修繕や塗装が困難な物件や環境等は耐用年数の長い無機塗料をお勧めします。

とにかく工事回数を減らしたいという場合にはぜひ無機塗料をご検討ください。

 

まとめ

無機塗料とは、無機物を配合して作られた次世代の高機能塗料です。

最高ランクの耐久性など多くのメリットがありますが、金額面などデメリットもあります。

長期的なコストパフォーマンスを重視する方今後の塗り替え回数を減らしたい方にはぜひおすすめです。

各メーカーが戸建て向けの無機塗料を発売していますが、高価な塗料だからこそ長年実績のある日本のメーカーの塗料を選ぶと安心です。

しかし相見積もりで無機塗料で比較した際、同じ無機塗料だからと安心してしまい安価な無機塗料を選んでしまっている方もおられます。

当店では塗料メーカーや塗料店に随時リサーチしています。本当にお勧めできる無機塗料をご提案はお任せください。

 


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